| 食養生について

中医学に基づいて考えると、まず我々人間は生まれた時に先天の元気を両親からいただいて世に出てくる。この先天の元気は、年をとるにしたがって減っていってしまう。それを補う為に食事をして、後天の気を増やしていくのである 。

さて、飲食物(水穀)から得られる「地の気」(後天の気)は、口から入り、消化され、ここで基本的栄養源とされる精徴な物質(水穀精徴)=精をこの飲食物から選り分けて吸収し、カスは糞尿となると考えられる。精は脾により統括され、一部は「天の気」と合体して真気となる。また、精の一部は営となって脉中へ入ると考える。
中医学では、生命活動の源を 気=真気=元気としている点が特徴である。

これから考えると、栄養学的に(西洋的な)カロリーが少なく栄養素が少ないのに人々に食べられる食物がある事も納得できる。
例えば、たけのこである。これはカロリーも、栄養素も少なくダイエットにも向いていると言われるが、これこそ気の多い食べ物である。朝、土の中より頭を出したと思ったら、昼にはぐんぐんと背をのばしてゆくのである。生命力のふんだんにあふれるものである。成長力があり、生命エネルギーが多いのです。だから、栄養学的には低カロリーであっても、中医学的には高気のエネルギーを持ったものであると言えます。